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北京オリンピック女子マラソン日本代表選手のV-Runレビュー

足裏からの情報を頼りに、心と身体を整える

2009年ベルリン世界選手権10000mで世界のランナーと競う中村選手(前から2人目)

中村友梨香選手のプロフィール

2004〜2013年まで天満屋女子陸上競技部に所属し、長距離・マラソン選手として活躍。2008年名古屋国際女子マラソンにて、2時間25分51秒で、初マラソンにして優勝。同年、北京五輪に出場。2009年ベルリン世界選手権10000mで7位入賞。現在は、NOBY T&F CLUBのコーチとして活動しながら、関西・名古屋を中心に市民ランナーのランニング指導者としても活躍中。

裸足で走ることが身体によい、という直感

今から10年前、陸上選手として天満屋に所属していたときに、初めてVibram FiveFingersに出会いました。当時、私はアメリカ、ニューメキシコ州のアルバカーキで高地トレーニングに励んでいました。昔からキョロキョロ周りを観察する癖があり、ジムに通う人の多くが5本指の不思議なシューズを履いているのを見て気になっていたのを覚えています。

明確な根拠があるわけではありません。それでも、裸足で走ることが身体にとってはよいという直感はありました。身体をほぐすためのダウンジョグは裸足ですることが多かったのですが、ガラスなどを踏んで怪我しないように、裸足感覚で履けるFiveFingersがよいという話も聞いていました。ショップに買い物に行くと、1足だけ残ってたV-Run。何か縁も感じたこともあって、迷わず購入しました。

今でも愛用しているV-Run

身体と地面の両方から、より多くの情報を得られる

FiveFingersを履いていると、他の靴を履いている時と比べて、身体と地面の両方から多くの情報を得られます。例えば、なんとなく体が重たいと感じるとき、踵から接地しているため重心移動がスムーズにできていないことが理由の1つとして考えられます。また、足元ではなく股関節の動きが悪いことも理由として考えられます。Vibramを通じて、接地時の強さ・タイミング・位置がわかると、身体の違和感の原因を特定しやすいので、改善も比較的容易です。一時期、普通のトレーニングシューズを履いていたときに、どうやってもこの違和感を解消できず混乱したことがありました。

土の心地よい感触を確かめるように走る中村さん

選手時代だけでなく、今もFiveFingersを愛用しています。誰かに正しい走り方を伝えるときに、ソールが柔軟で足の指も独立して曲がるので、足の動きを説明しやすいです。また私自身が正しいフォームで身体を動かせているかのチェックもしやすいです。

薄く柔らかいVibramのソール

「より気持ちよく」走ることと、「1秒でも速く」走ること

物心つく頃から走ることは好きでしたが、競技として意識し始めたのは中学生になってからでした。身一つでできること、人数枠がないこと、先生と先輩の雰囲気がよかったこと。中学校で陸上部に入部したのは、そんな理由からでした。徐々に実力をつけながら、部内でも「速い中村さん」で通るようになりましたが、残念ながら全国大会への出場は叶いませんでした。

再び、全国大会出場に向けて頑張ってみようと思い、高校は強豪校である兵庫県立西宮高校に進みました。競技として走ることの厳しさを知ったのも、この頃でした。部内、部外のライバルに負けないためには、身体と精神のコントロールがとても重要だと学んだのです。文武両道を良しとする進学校だったので、学業もおそろかにできませんでした。好きなように走っていた中学校時代と比べると多分に厳しい環境でしたが、この頃に頭と身体で学んだことが、陸上選手としての身体的・精神的な基礎となり、その後も大切な場面で私を支えてくれました。

当時の先生は、厳しくも愛のある人で、高校を卒業した後もずっと「誰も言ってくれないこと」を教えてくれました。特に選手時代は心の支えでもありました。

ベルリン世界選手権10000mラストスパート

選手時代はそれが私の仕事だったので、気分が乗らないときに走らないといけないことも、少なからずありました。今も走ることに仕事として関わっていますが、現役時代と比べて向き合い方は大きく変わったと思います。中学生の頃、森の小道を抜け、階段を駆け上がった先の神社から、街を一望するのが好きでした。今、私にとって走るとはそんな感覚に近いかもしれません。山の緑や空の青、少しひんやりした土や柔らかい芝生の感触、森の空気の心地よさ、そんな感覚によって自然と走り出したい気持ちになります。私が今でもFiveFingersを愛用しているのは、自然からの恵みを身体全身で感じたいからです。裸足感覚に近いので、足裏の感覚も鮮明です。

木漏れ日を浴びながら気持ちよさそうに走る

「楽しく走る」で繋がるコミュニティ

平日は地元の陸上クラブ小学生向けのランニング教室で、休日は市民ランナー向けのランニング教室で講師を務めています。それ以外に、市やマラソンの運営団体からゲストとして仕事の依頼を受けることがあります。受講者によって教える内容も多少変わりますが、1秒でもタイムを縮めるというよりは怪我なく楽しく走ってもらうことを大切にしています。

ありがたいことに、開講しているコースによっては中学生から60歳まで老若男女問わず幅広い層のランナーが集まります。年代や職業を超えて新しい交流が生まれてくれたら、私にとっても願ってもないことです。以前、登校拒否になっていた子が、コースに参加して新しい友達ができたと話してくれました。もしランニング教室が、居心地が良くて楽しいコミュニティとして機能していれば、走ることにも素直な気持ちで取り組めます。私自身、タイムを縮めることで頭がいっぱいで、前向きな気持ちで走れない時期がありました。走ることでも、それ以外のことでも、気持ちを解放してリラックスできるような場所になればいいなと思っています。

最近、走ることがあまり気持ちよくないと思ってる人は、走りながら時計ばかりをみていませんか。たまには、時計を外して、空気を感じながら好きに走ってみるのもいいですよ。

(写真・取材:青山航)

PICK UP

V-Run

カラー:North Sea / Navy

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